プロフィール撮影・グラフィックデザイナー「sachiho nakanishi」
グラフィックデザイナー・sachiho nakanishiさん(以下、さっちん)からプロフィール撮影プランのご依頼があった。

グラフィックデザイナーの彼女は木製パネルに塗ったジェッソ、オイルパステル、マーカー、写真など、さまざまな媒体を使って作品を制作しています。彼女の慎重な筆致とダイナミックな技法は、現代デザインと神秘主義の感覚を融合させています。彼女は自分の内なる宇宙と対話しながら、形而上学を探求し、大胆な色彩と空間に絡み合った形状を通してこの対話を表現しています。サチホの作品は神聖な空間であり、愛と癒しの主張であり、私たちは宇宙に愛されている、私たちは私たち自身の神であるという深いメッセージを伝えており、彼女の精神的な旅の証です。
Grafic(https://graphic.stammtisch.jp/)より引用
さっちんと僕は、20代の頃に知り合ったバイト仲間。それから約15年が経ちましたが、SNSを通してさっちんとの距離感はずっと身近に感じていました。そんなさっちんから「プロフィール写真を撮影してほしい」と依頼され、二つ返事で引き受けることにしました。
さっちんの個性を映し出すプロフィール撮影

**フィンランド第22回国際ポスタートリエンナーレ(Lahti Poster Triennale 2025)**に入選したグラフィックデザイナーのさっちん。これから取材やインタビューなど、さまざまなシーンで求められるプロフィール写真を撮影することが、今回の撮影の目的の一つです。

撮影では、さっちんの個性とデザイナーとしての創造性を表現することを意識しました。コンセプトは「クリエイティビティ」と「専門性」をしっかりと伝え、さっちん自身の魅力が伝わる写真を撮影すること。さっちんらしさを引き出し、クライアントや業界の人々にその魅力を伝えることができるよう心がけました。

さっちんの仕事のスタイルに合わせて、デザインの世界観や雰囲気、インスピレーションを感じさせるアトリエを背景に、片側の壁一面の大きな窓から差し込む優しい自然光を光源に、絵を描いてもらいながら撮影を行いました。
心地良い時間と空間で捉える素顔

撮影中、15年前の昔話をしたり、絵について質問したりしながら進めました。撮影に関する指示は一切なし。さっちんが写真に撮られていることを忘れてくれるような雰囲気作りを心がけました。

優しい笑顔で気持ちよく絵を描いている姿、少し考え込む表情、何気なくアトリエの外を眺める姿、どれもさっちんそのもの。しかし、写真を撮られることが苦手で、とても恥ずかしがり屋なさっちんは、なかなかカメラを見ることができず、目線がキョロキョロと落ち着かない様子。それを見て、僕は少し焦りました。なぜなら、プロフィール写真にカメラ目線の写真が一枚もないなんて考えられないからです。

きっと、これからグラフィックデザイナーとして活動していく中で、カメラ目線の写真は必ず必要になってくるだろうと思いました。
撮影しながら頭の片隅で、どうやって目線を誘導しようか?と考えていました。「こっち見て?」と声をかければすぐに解決する問題かもしれませんが、そうすると今まで作ってきた雰囲気が台無しになってしまう。さっちんが「見なきゃダメだったんだ」と気づくことで、さらに緊張してしまうかもしれません。

ほんの少しの緊張感や心拍数の上昇が、必ず表情に現れます。人を撮ることの難しさと楽しさは、まさにその瞬間にある。だからこそ、カメラ目線を狙うことはせず、ふとした瞬間に目線をキャッチできればそれで良いと考えました。

さっちんがいつも作業机で絵を描く姿を観察し、光の角度が綺麗な場所を見定め、スッキリとした背景を選んでシャッターを切る。僕をカメラマンとして起用してくれた喜びを噛みしめながら、丁寧に撮影を進めました。
それは、とても心地良い時間でした。
参考リンク
さっちんのnote記事→https://note.com/sachiiiiiiiiiiho/n/n3dbc839a43ee
Grafic→https://graphic.stammtisch.jp/
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