全室プロジェクター導入|客室壁紙リニューアル後の宿泊体験を写真で再設計【撮影紹介】
WORKS LOGをご覧いただき、ありがとうございます。今回は、沖縄県名護市にあるホテル「アイオライト」様よりご依頼いただいた、客室写真の撮り直し撮影についてご紹介します。
本案件は、客室壁紙のリニューアルおよび全室へのプロジェクター設置に伴うビジュアル更新が目的です。空間の印象が刷新されただけでなく、「部屋で過ごす時間」そのものが再定義されたタイミングでの撮影となりました。
ご依頼の背景
リニューアル後、実際の宿泊体験としての価値は向上している一方、既存の写真ではその変化が十分に反映されていない状況でした。
特に課題となっていたのは、以下の点です。
- 壁紙の質感や空間トーンの変化が伝わらない
- プロジェクターの“見え方”(投影サイズ・距離感・没入感)が具体的に想像できない
- 滞在中の過ごし方がビジュアルとして提示されていない
宿泊施設の比較検討においては、価格や立地条件に加え、「その部屋でどのような時間を過ごせるか」が重要な判断材料になります。
特にプロジェクター設備は、文章情報だけでは訴求力が弱く、視覚的な提示が不可欠です。
そのため本案件では、単なる写真更新ではなく、宿泊体験の可視化を主軸に再構築を行いました。
撮影で重視した設計
今回の撮影では、媒体上での情報伝達を前提とし、以下の3点を軸にビジュアル構成を設計しました。
1|リニューアルの要点をファーストビューで明確化

壁紙の刷新とプロジェクター体験という今回の核となる要素を、一枚目で明確に提示。記事冒頭・一覧サムネイル・SNS流入時にも機能する構図と情報整理を意識しました。
2|空間把握と体験イメージの両立

ベッド、ソファ、投影位置の関係性が理解できるよう、角度や画角を分けて撮影。空間の広さやレイアウトが把握できるカットと、体験を想起させるカットを組み合わせることで、「実際に泊まった場合の視点」に近づけています。
3|ディテールによる空間価値の補強

壁紙の質感、間接照明の光の溜まり、ファブリックの表情など、空間の印象を決定づける要素を丁寧に撮影。全景だけでは伝わらない上質さを、ディテールカットによって補強しています。

光と時間帯の設計
プロジェクターの魅力は、明るい時間帯のみでは成立しません。そこで今回は、時間帯を分けて撮影を実施しました。
昼|空間情報の整理

自然光を活かし、清潔感・広さ・色味の再現性を重視。壁紙のトーンや部屋全体の印象を正確に伝えることを目的としています。
夕方〜夜|体験価値の可視化

投影が成立する露出バランスを確保しながら、部屋の情報が失われないよう調整。“暗くて雰囲気がある”だけではなく、「どのように見えるのか」が具体的に伝わることを重視しました。
技術的アプローチ|プロジェクター撮影における難易度と対応
プロジェクターを設置した客室撮影では、通常の内観撮影とは異なる技術的課題が生じます。特に問題となるのは、「明暗差」「投影の視認性」「空間情報の保持」を同時に成立させることです。
カメラの特性上、明暗差が大きい環境では、投影画面と室内空間の両方を1枚で完全に適正露出に収めることは困難です。そこで本案件では、
- 投影面の階調を保持した露出カット
- 空間全体を適正露出で捉えたカット
の2枚をそれぞれ撮影し、最終的に合成処理を行います。
1|投影画面の白飛び対策

プロジェクターの投影面は輝度が高く、空間基準で露出を設定すると白飛びが発生します。一方で、投影面に露出を合わせると、室内が大きくアンダーになります。
重要なのは、数値的な露出基準ではなく、「実際に視聴する人にとって見やすい明るさ」で素材を撮影することでした。合成を前提としながらも、投影コンテンツの視認性を最優先に露出設計を行っています。
2|空間情報を保持する露出設計
投影面用のカットとは別に、空間全体の質感と情報量を確保するためのカットを撮影。この段階では室内を基準露出とするため、投影面は白飛びした状態となります。

壁紙のトーン、間接照明の光溜まり、ファブリックの質感など、宿泊空間としての価値が伝わることを目的とした露出設計です。
3|色温度バランスの調整
プロジェクター光、室内照明、自然光が混在する環境では、色温度の不整合が発生しやすくなります。そのため、撮影段階で色の基準を整理し、合成後も空間全体のトーンが破綻しないよう調整を行いました。
壁紙の色味や素材感が正確に再現されることは、リニューアル訴求において重要な要素です。
4|安定性と再現性の確保
複数カットを合成する場合、わずかな構図ズレや露出変動が仕上がりに影響します。本案件では三脚を使用し、構図・ピント位置・露出を固定した状態で撮影。再現性を担保した上で合成処理を行っています。
合成に対してネガティブな印象を持たれる方もいらっしゃるかもしれません。しかし本案件における合成は、演出ではなく視覚体験の再現を目的としています。
撮影の現場では「見た目の明るさで表現してほしい」というご要望をいただくことがあります。この“見た目の明るさ”という言葉は、非常に抽象的です。
人は強い明暗差のある光景を見た際、過去の経験や記憶色をもとに脳内で補正しながら視覚認識を行っています。一方でカメラは、物理的な光量をそのまま記録する装置であり、人間のような視覚補正機能は持ちません。
明暗差の大きい空間を一枚で成立させようとすると、どこかが破綻します。そのため本案件では、HDR処理のように自動的に階調を均すのではなく、意図的に露出設計を分離し、階調を管理した上で統合しています。
合成処理は誇張のためではなく、人が実際に見た印象に近づけるための、技術的選択です。
空間のリアリティを担保しながら、投影コンテンツの視認性も確保する。その両立のための工程となります。
このアプローチにより実現したこと
- 投影コンテンツの視認性確保
- 空間全体の情報保持
- 宿泊体験としてのリアリティの両立
単なる雰囲気写真ではなく、機能性と体験価値の両立を目指した撮影設計となります。
まとめ
今回のリニューアルで変化したのは、内装意匠だけではなく「滞在体験の質」です。その価値を適切に伝達することで、予約前段階における判断材料としての写真の役割が明確になります。
宿泊施設の撮影(客室/共用部/体験カット)および、リニューアル後のビジュアル再構築にも対応しております。公式HP・OTA・SNSなど媒体特性に合わせた設計をご提案いたします。お気軽にご相談ください。
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最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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